あなっちゃん旅行記

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御坂峠にある太宰治文学碑の裏側に刻まれた謎の文章とは

天下茶屋のすぐ近く!「太宰治文学碑」を見に行ってみたよ!

 

2017年の11月3日、私は1人で御坂峠の天下茶屋へ行きました。

  

茶屋に併設されている「太宰治文学記念室」を見た後に、

店の外へ出て、すぐ近くにある「太宰治の文学碑」を見に行ってみることにしました! 

 

天下茶屋から文学碑までの行き方

 

太宰治の文学碑は、茶屋を出たところから走って2分程度の場所にあります。笑

 

まず店を出て、車に注意しながら正面の道路を渡ります。

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旧御坂トンネルのすぐ手前のところに登山道の入り口(写真左側)があるので、

そこを少し登ると、文学碑の前に辿り着くことができます。

 

実際に登ってみると……

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ジャジャーン! 文学碑登場!!!

 

写真ではよくわかりませんが、

碑面には「富士には月見草がよく似合ふ」と彫り込まれています。

 

『 富嶽百景 』の有名な一文ですね!

 

石碑を眺め、写真を撮って……よし満足!

 

 

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ちょっと待った!

 

まだ帰っちゃダメです!

 

 

実はですね、

太宰治ファンのみなさんに、ぜひ見ていただきたいものがあるんです!

 

 

それは…… 文学碑の裏側です!

 

 

文学碑裏側のヒミツ

 

急な坂、たくさんの湿った落ち葉……。

少々足場が悪いのですが、

体力と気力に自信がある人は、頑張って文学碑の裏に回り込んでみてください!

 

 

裏側は、こんな感じになっています。

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裏面にも、何か書かれていますね。

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冒頭だけ読んでみましょう。

 

「惜しむべき作家 太宰治君の碑のために記す。」 

 

裏面に彫り込まれている謎の文章、

実はですね……これ、太宰治の師だったあの井伏鱒二先生の文章なんです。

 

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▲ 御坂峠の文学碑の碑陰と井伏鱒二 1953年(昭28年)10月、除幕式の日
  出典:『図録 太宰治』(ちくま学芸文庫)

  

この文学碑は、太宰治の死後に井伏鱒二が中心となって建てられました。

 

『富嶽百景』を読んだ人は既にご存知だろうと思いますが、

元々は井伏鱒二が天下茶屋に泊まり込み執筆作業をしていました。

そこに太宰治が思いを新たにする覚悟を持ってやってきたんですね。

 

そして御坂峠を下った後、太宰治は結婚することになります。

(『富嶽百景』作中にとても可愛らしいお見合いシーンが描かれていますよね)

 

結婚してからは、天下茶屋滞在を経て生み出された『富嶽百景』、

その他には『走れメロス』や『御伽草子』など、

誰が読んでも面白いと思えるような作品を、次から次へと生み出していったのです。

(これらの作品は「中期作品」と呼ばれています)

 

つまり『富嶽百景』は、太宰治の生活・作風の変わり目となる作品だったということ。

そんな重要な作品である『富嶽百景』が生み出されることになったのは、

井伏鱒二という存在があってからこそ……だと思うんです。

 

太宰治が天下茶屋へ行くことになったのは井伏先生の勧めがあったからです。

彼に家庭を持つことを勧めたのも井伏先生です。

 

彼に思いを新たにする切っ掛けを与えたのは、井伏鱒二だったんです。

 

井伏鱒二が太宰治に、そして彼の文学に与えた影響は、

読者が想像している以上に、大きなものであったのではないでしょうか。

 

太宰治亡き後、井伏鱒二の手により建てられたこの御坂峠の文学碑は、

2人の間に確かに存在していた強固な絆を証明する

数少ない貴重な現存品なのではないか、と。私はそう思っています。

 

 

なので、太宰治ファンのみなさんは是非

石碑の裏面に回り込んで、井伏先生の文章を読んでみてください!

太宰治に対する井伏先生の想いを感じることができますよ。

 

 

もはやパワースポットなのでは?

  

石碑の裏側から眺めた富士山。

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なんか最近ずっと調子悪いな〜、と思ったら御坂峠に行きましょう!

ここは「太宰治が思いを新たにした場所」なのです。

私たちのようなファンからしてみれば、パワースポットも同然の場所ですよ!笑

 

さて、そろそろ帰りのバスの時間が近づいてきたので……

グットバイ文学碑!!!

 

 

天下茶屋では太宰治グッズも買えるよ!

 

茶屋の前に戻った頃には、お客さんの数がどっと増えていて、

車バイクは駐車場から溢れ出し、店の中も随分と賑やかになっていました。

 

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レジで支払いをしているとき、レジ横にお土産が沢山並べられていたので、

「文学碑を見に行った後で買おう!」と思っていたのですが……。

お客さんが多く、お店の方々みんな忙しそうだったので遠慮しました(泣)

 

太宰治グッズもたくさん売られていたので絶対買いたい!という方は、

私みたいに後回しにせず、支払いの時に一緒に買うと良いかもしれませんよ。

 

 

最後に

  

まさか自分が本当に1人で天下茶屋まで行ってしまうだなんて、

夢にも思っていないことでした。

 

親切にしてくださった茶屋の方々。

美味しかったイモ団子と甘酒。

秋晴れの空、綺麗な富士山、文学碑……。

 

ここに辿り着くまで、色んな不安もありました。

でも、この天下茶屋での思い出は、

間違いなく「美しい思い出」として、私の心の中に残り続けることでしょう。 

 

また行きたいなぁ〜!

 

次に行く日が、いつになるかはわかりませんが、

行きたい!という思いが強いうちに行くことができて、本当に良かったです。

 

天下茶屋に行ってみたい!と思っている人!

1人でも行けちゃうので、ぜひぜひ行ってみてくださいね!

  

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